"My Pure Lady" Junko Sakurada

桜田淳子出演 映画

「男はつらいよ・葛飾立志篇」




S50年12/27公開 製作=松竹(大船撮影所) 
「男はつらいよ・葛飾立志篇」
山田 洋次 監督作品
97分 カラー ワイド



  ■スタッフ■
製  作:島 津    清
  〃 :名 島    徹
企  画:高 島  幸 夫
  〃 :小 林  俊 一
脚  本:山 田  洋 次
  〃 :朝 間  義 隆
原  作:山 田  洋 次
監  督:山 田  洋 次
撮  影:高 羽  哲 夫
美  術:高 田  三 男
音  楽:山 本  直 純
録  音:中 村    寛
調  音:松 本  隆 司
照  明:青 木  好 文
編  集:石 井    厳
監督助手:五十嵐  敬 司
進  行:玉 生  久 宗
製作主任:内 藤    誠

  ■キャスト■
車 寅次郎=渥 美   漬
         ○
さ く ら=倍 貫 千恵子
         ○
車  竜造=下 條 正 巳
車  つね=三 崎 千恵子
諏訪  博=前 田   吟
諏訪 満男=中 村 はやと
社   長=太 宰 久 雄
源   公=佐 藤 蛾次郎
         ○
御 前 様=笠   智 衆
轟  巡査=米 倉 斉加年
住   職=大 滝 秀 治
         ○
最上 順子桜 田 淳 子
筧  礼子=樫 山 文 枝
         ○
田所 先生=小 林 桂 樹



■ものがたり■
 秋も深まったある日の午後。数ヵ月ぶりに寅(渥美)は旅先から「とらや」に帰って来た。そこには寅を訪ねて東北から上京した美しい女学生順子(桜田)がいた。寅は順子を見るなり思わずお雪さん≠ニ呼んでしまう。彼女も寅を見て目にいっぱい涙をためお父さん″と叫ぶ。驚いたのは寅。しかし、もっと驚いたのは妹のさくら夫婦(倍賞・前田)とおいちゃん(下條・三崎)だ。実は順子は寅が十七年前に恋い焦がれた初恋の人の娘だったのだ。寅の持前の親切心から、かつてこの親娘に毎年正月になると手紙やささやかなお金を送っていた。そのことを順子に勘違いされ本当の父親だと思われていたのだった。順子から母親が亡くなった事を知らされた寅は、才月の流れをしみじみと感じるのであった。とらやの連中がホットしたのも束の問、「寅がまともに結婚していたらこの位の年の娘がいるのになあ!」と愚痴るおいちゃんの言葉に寅は腹を立て、果ては大喧嘩となり、またまた旅に出てしまった。
 しかし、寅はお雪さんの死んだことを大変気にしていた。
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 数日後、寅は彼女の墓詣りを兼ね順子の故郷を訪ねた。そこで寺の住職からお雪さんの生前の不幸を聞かされ愕然となる。お雪さんは学問がないため男に騙され後悔していた。娘だけは人前に出しても恥をかかないような立派な人間に育てたい。そのためには学問が必要だと口ぐせのように言っていたのだった。そして住職は寅に学問の必要なことを教えるのであった。「晩学は尊いことであり、あなたには偉くなる相が出ている」と言われて寅は益々その気になってしまった。
 
 
 再び柴又に戻った寅は、住職の言葉にわが身を反省しメガネを、かけて勉学にいそしむことになった。普段、本など読んだことのない寅が急に本を読み始めたのでとらやの連中はびっくり仰天。
 折りも折、御前様(笠)の親戚で大学の考古学教室に残り将来考古宇者になろうとしているインテリ女性の礼子(樫山)さんが「とらや」に下宿していた。明るくて誰とでも気軽に口をききインテリぶらない礼子に、寅は次第に心をひかれていく。しかし、礼子には年配の恩師田所(小林)がいた。この人は風変りな人で五十を過ぎても一人暮し。奇人だが天才肌の学者であった。大学の先生は近よりがたい偉い人だと思っていた寅も風采の上がらない植木屋風のこの人をすっかり気に入ってしまった。寅の幸せな日々が続く。
 そんな或る日、礼子が恩師と結婚すると云ったのだ。彼女にしてみれば何日も何日も思い悩んでのことだった。恩師は年を取っていても青年のような心の持主だった。このことを知った寅は、「あの人が、あんな年寄りと結婚するなんて」と信じようとしない。さくらは言った。「人それぞれ生き方があるのよ。お兄ちゃんはほんとうはあの人に恋をしていたのよ」。寅はハッとした。「礼子さんに色恋を感じたら失礼だ。礼子さんはもっと高いことを考えている人なんだ。結婚なんかするはずが無い。ただひたすらに学問に励んでいる人なんだ。俺はそういう人と同じ屋根の下で暮しているだけでいい。俺の心はきれいなものよ」と言っていい気持ちになっていた寅ではあったが、いざ礼子さんが結婚すると聞かされたとたん、彼女に恋をしていたことに気づいたのだった。寅はまたまた失恋してしまった。正月を久しぶりに「とらや」で礼子さんと一緒に過ごそうと思っていた寅のはかない夢も消えてしまう。そして寅は、木枯しが吹く晩「とらや」を後にして又旅に出ていくのであった。
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 間もなく、雪深い東北路で、正月をむかえた寅は、可憐な順子と再会するのであった。
 
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