"My Pure Lady" Junko Sakurada

桜田淳子出演 映画

「愛情の設計」







S52.07/16公開 製作=松竹=サンミュージック 
「愛情の設計」
山根 成之監督作品
90分 カラー ワイド


  ■スタッフ■
製  作:樋 口   清
企  画:相 沢 秀 禎
原  作:里 中 満智子
脚  本:石 松 愛 弘
監  督:山 根 成 之
撮  影:小 杉 正 雄
美  術:重 田 重 盛
音  楽:青 木   望
録  音:田 中 俊 夫
調  音:小 尾 章 魚
照  明:佐久間 丈 彦
編  集:富 宅 理 一
監督助手:佐 光   曠
進  行:中 沢 宣 明
製作主任:池 田 義 徳
スチール:金 田   正
宣伝プロ
デューサー
:上 川 元 也
製作宣伝:松 本 行 央

  ■キャスト■
        
植村 美世桜 田 淳 子
         
(兄) 圭=村 野 武 範
        
北野 翔平=佐 藤 佑 介
        
(父)洋平=渡 辺 文 雄
(母)節子=瞳   麗 子
        
河村 智子=夏   純 子
        
島田 照子=折 原 真 紀
正   代=遊 佐 ナオ子
谷   口=中 島 久 之
や く ざ=粟 津   競
武藤 追子=白 木 葉 子
試 験 官=里 中 満智子
看 護 婦=人 見 ゆかり
女子 高生=佐 藤 美恵子













■ものがたり■

 槙村美世(桜田)は芳紀十八才。十三年前に両親空父通事故で亡くして以来、船舶設計事務所に勤める兄の圭(村野)と二人暮し。
 北野翔平(佐藤)は二十才。北野病院の御曹子である。浪人二年目で、親の跡を継ぐのを嫌って国立の文科系の大学を目ざしていた。
 こんな二人が最初に出合ったのは東都大学受験の日であった。受験会場に向かう電車の中で、バランスを失った翔平が、美世に倒れかかったのがきっかけだった。昼食時食堂で翔平が美世に声をかけた。
 「や、また会ったな。今朝から何度目だろう。電車の中と、降りてからと、教室と、こことで四度目かな」
 「五度目よ、今朝これを落したでしょ。参考書」
 美世の明るい顔はまぶしいように美しかった。二人の愛の出会いであった。
 
 美世の十八才の誕生日に、大学合格の前祝いを兼ねて圭がケーキを買って来た。
 ところが、その夜美世が突然倒れた。 心臓弁膜症だった。結婚は勿論のことおとなしく暮さなければならなかった。圭は美世には心配させないため単なる軽い貧血だと嘘をついた。
 
 大学入試発表の日。美世は合格した。翔平は不合格だった。
 「おめでとう。俺は見事落第二年目」と屈託なく笑う翔平。
 「あなたの運を私が拾ったみたいね」と美世は慰め顔で言った。そして二人は残念会と祝賀会を兼ねて、競馬場へ、やきとり屋へ、歩行者天国で賑わう雑踏へとはしごのデートを楽しんだ。
 
 翔平は東都大学をあきらめ親が薦める城南医科歯科大に入ることにした。
 「親父の云うことを聞くことにしたよ。プレゼントして貰えるんだ。何かいいものはないかな」
 「ヨットがいいわよ。青い海があって見たことのない魚だっていっぱいいるし、誰も行ったこともない島にだっていけるのよ」
 「ヨットかよしそれに決めた」
 二人は圭の設計事務所を訪ずれ 二人だけで乗れるヨットを設計してほしい と圭に依頼した。
 
 
 新緑に映える軽井沢。翔平の医学部入学祝いが翔平の別荘で開かれその仲間が集まった。当然のことながら美世も誘われた。美世は兄圭の反対を押し切って参加したじこのことで、美世と圭が云い争ったのは初めてだった。やがて二人は急激に接近していった。仲良く乗馬に興じている二人。その時美世が突然倒れた。
 「美世さんが心臓弁膜症だなんて」
 美世のことで翔平と圭は衝突した。
 「美世と交際しないではしい」
 二人は激しく言い合った。しかし、圭は美世の幸せを祈り二人の仲を許すのだった。
 
 
 数日後、美世は自分の病状を知り、すべてをさとった。そして死んでもいいから翔平との愛に生きようと決心した。突然、美世は思いたったことを実行に移した。ウエディングドレスに身を包んで翔平が借りたヨットで航海に出た。
 楽しかった。発作の不安もあったが美世と翔平は抱き合い、星空の下で互いに求めあった。だが、やはりおそれていた発作がおきた。翔平が無線でSOSを打ちつづける中で、美世は昇天した。倖せそのものの顔をして。
 
 岸に戻った圭と翔平が向いあった。
 「僕が間違っていた。寝たきりでもいい。一秒でも長く生きていてほしかった。」
 圭が首を横に振った。
 「いや、寿命が短かくても思う通り生きた美世は幸せだった。ありがとう。」
 のこされた美世の日記には人を愛する素晴しさが、よろこびにあふれる文字で綴ってあった。
 汐風が海の彼方から吹いてきた。夕焼けに染った水平線の向こうにいま太陽が静かに沈もうとしていた。
 
 
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