"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館

管理人室

sonoさんの『淳子ヒストリー』


  sono.10  番外編T
〜41の夏≠ニ17の夏≠フ『若い人』編〜

SONO - 03/08/16 22:45:23

 連載10回目の『淳子ヒストリー 番外編』です。

   ○○子は、今年、17の夏≠迎えました。
 そんな○○子と私の、お盆の一日≠ナす。

 その日、家族は里帰りしていまして、私は、家で一人で、留守番をしていました。
 朝から、姉ちゃん≠ニ、先祖の墓参りを済ませ、午後から、縁側で焼酎を飲み、いつのまにか寝てしまっていました。

 目を覚ますと、側の長イスで、○○子も寝てました。
 部活から帰ってきて、適当にご飯を食べて、そのまま、寝てしまった様子でした。
 私の母親が、姉ちゃん≠ェ他界して、○○子の面倒をみてきたので、私の家が、生活の一部になってるみたいです。
 寝顔を見てますと、
 「まだまだ、子供ばい」
と思い、苦笑してますと、○○子も目を覚まし、私が寝顔を見ていたのを察したらしく、照れた様子で・・。

 ○○子が、焼きそばを作ってくれた(あいつは、焼きそばしか、作れません(笑))ので、私はまた、焼酎を飲み始め、しばらく雑談していましたが、
 「兄ちゃん、おかあさんの病気は、白○病じゃろ。私も、そう(病気に)なるんかな?」
と、聞くので、私は、突然の事に、うまく答えられず、
 「よう判らん」
と、答えました。

 ○○子が、そんな事を考えていたなんて、思ってもいなかったのですが、やはり、母親の他界は辛い思い出らしく。
 あいつは、昔から何かあると、私に相談してましたが、○○子いわく、
 「兄ちゃんに相談しても、なんの解決にもならないけれど、まず一番に話すんバイ」
 信用されているのか、いないのか、私の立場は、極めて微妙でした(笑)。

 私と二人きりだったので、そんなことを話す気になったのか、姉ちゃんの病気の話は、それで立ち消えになりなりましたが、いつもの明るい○○子の雰囲気ではないので、
 「俺が、えらい影響を受けた映画ばい、お前も一緒に観るか?」
と二人で、『若い人』を観ました。

 オープニングの、下校シーンから、目に涙を溜めている私を見て、あいつは大笑いしてましたが、江波恵子と母の場面あたりから、画面に見入りまして、
 「私、ママ大好き」
の台詞には、あいつも感銘を受けたらしく・・。
 ラブシーンの時なんか、○○子と二人きりなもんで、40男もドキドキしたり・・。

 すでに日は暮れていまして、あたりは真っ暗でしたが、灯りも点けず、その画面だけが、鮮やかに浮かんでました。
 それは、私が高1のころに『若い人』を観た、映画館の中と同じでした。

 私が、初めて、『若い人』を観たのが、16、7才の頃で、○○子も今、17才。
 偶然にしても、感動を覚えました。
 やがて、『若い人のテーマ』で、終わりました。
 深く、長い、二人だけの93分でした。

 『若い人』を観終えた○○子が、
 「おかあさんの病気のこと気になるけど、私も恵子の様に、ひたむきに生きてみるかな…」

 16、7才のころ、荒れてた私を救ってくれた映画が、17才の○○子も救ってくれました。
 すこし、大人になったような17の夏≠フ○○子がいました。

 「もう、寝るね」
と○○子は、奥の部屋に行こうとして(寝るのも、俺の家かよ。お前の家は2軒となりバイ。(笑))、
 「兄ちゃん 『若い人』に、影響受けたわりには、全然ひたむきじゃないし、進歩もしてないやん」
と、何事にも、最後は、私にひとこと言わないと気の済まない性格まで、姉ちゃん≠ニ同じで・・。

 姉ちゃん≠ニ娘の親子二代に手を焼く私と、気まぐれビーナス≠フ、『41の夏と17の夏≠フ、若い人=xでした。

 翌日、私がコンビニで、色っぽい雑誌を立ち読みしてますと、背中に殺気≠感じまして、振り向くと、○○子が睨んでまして、
 「超ー変態」
と、背中をおもいっきり、つねられた私でした。
 それでも、焼きそばの麺は、しっかり購入した○○子でした。

 やっぱり、あいつは、こうでなきゃいけません。ジャンジャン。



(つづく)




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