"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館 管理人室
sonoさんの『新・淳子ヒストリー』 特別書き下ろし編
〜『わたしの青い鳥』編 A〜
相変わらず、不登校を続ける○○子でしたが。
秋の様子が深まるある日、○○子の家を訪ねると、玄関に奇声にも似た、笑い声がすると○○子と数人の仲間たちです。
「俺さ、○○子に話があるんよ。悪いけど、今日は帰ってくれんか」
と仲間たちに告げると、かなり渋々ですが、原チャリの爆音とともに帰って行きました。
彼女達を見送り、○○子をなんとか、なだめて、部屋でしばらく話をしましたが、私の言葉に耳を傾ける様子もなく、それでも私は話しました。
「俺さ、お前の母ちゃん(姉ちゃん)に、今のお前と同じ状態の時、フライパンで殴られてさ、耳が半分きれた事があるんよね。
(ここと、自身の左耳を指差しながら)で、もちろん悪いのは、俺なんだけど、そん時はかなり、痛くてよ、病院に行って、姉ちゃん、付いてきてくれて、かなり縫ったんバイ。
姉ちゃんが生きていたら、お前もフライパンで殴られたかもよ。
怒ると怖い姉ちゃんだったけど、普段は、やさしい姉ちゃんだった。
○○子が小さいころさ、お前、姉ちゃんと一緒に歌っていたわたしの青い鳥≠覚えてる?。
あれ、俺のレコードから録音したやつでさ、お前、♪クック、クック〜♪、なんて、手振り、身振りで歌ってさ、近所の人気者だったんよ・・・」
私は、○○子相手に何を言っていいのかわからず、そんな話をした記憶があります。
「あの、歌は・・」
と○○子が口を開いたので
「何?」
と私が問い返すと
「別に」
と○○子は、また、横を向きました。
「たまには、学校もいってみろよ。○美たちも心配してたぞ」
と私は、○○子の部屋を出ましたが、その後も、○○子は不登校を続けたのです。
10月のある日、担任の先生から、このままでは、進級が難しくなるので、相談したい≠ニ連絡があり、○○子不在の、担任の方と私の面談があり、担任、その他先生方の熱心な御努力もむなしく、結論として高校は辞めさせることにしました。
数日後、私はなんとか、○○子を捕まえ、○○子の部屋で
「もう、高校は辞めろ、手続きは俺がする。」
と最後通告しますと
「明日から、学校にいくわ」
と思いもよらぬ返事に、私はしばし、言葉を失いましたが、
違う、○○子が学校に行くと突然言い出したのは、理由がある≠ニ感じました。
「お前、今から、行ってもダブる(留年)かもよ。いいのか」
と私の問いかけに○○子は、だまって頷きました。
○○子の気持ちになんの変化があったのか、何がきっかけなのか、その時はわかりませんでした。
そして、これで、解決したわけでもありません。
でも、この時から少しずつですが、夜明け≠ェ始まったのは事実です。
「じゃ、明日から、学校行くんやな。約束やど」
と念を押し、私が○○子の部屋を出よううとすると、
「あの歌を・・。あの歌をもう一度、聞かせて」
と○○子がうつむきながら、つぶやきました。
(つづく)
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