"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館

管理人室

 

管理人の迷酊放談

〜よい酔い余韻の良い好い宵〜

No.0011 「普通の人間が存在する」は本当か 

 

 こうしたマスコミの報道の仕方は何も同性愛者に限ったものではありません。

 深夜に繁華街をうろつき、友達の家を泊まり歩いている女子中学生たちの取材においても言えることです。
 髪を染め、男の子に食事に誘われてのこのことついていき、夜中の2時3時までほっつき歩いている子を「普通の女子中学生」とぬけぬけと言うレポーターがいます。
 夜中の2時3時に出歩いている中学生が、いくら都会でも「普通」のわけがないだろうと、田舎に住んでいる人間は思います。
 第一、髪を染めている中学生なんか田舎にはいません。
 高校生にもいません。
 若いので金髪の子がいたら、退学になった子か、仕事に就いている子で、どちらにしても、田舎では完全に不良扱いです。
 その不良扱いされている子にしたところで、都会の人がイメージするほど悪いことをしているわけではありませんし、それだけ田舎では、いい意味でも悪い意味でも、ムラ≠フ監視機能が生きているのです。

 確かに新宿や渋谷や池袋にはそういった遊び場があるのかもしれませんが、それにしたところで、そんな時間にいる子はせいぜい何十人程度、多く見積もっても何百人というところでしょう。
 東京都の女子中学生の数が10数万人ほどとして、その中の10万人が髪を金髪にして、夜中の2時、3時に出歩いているというのならともかく、それにはるかに満たない子達のことを「普通」だなんて表現するべきではありません。

 これをご覧の皆さんには、こうしたマスコミのいい加減な報道に対して、もっと敏感になって戴きたいと思います。
 そうした報道に傷ついている人間がいることに気づいて頂きたいと思います。


 社会は、組織防衛上、同じ価値観をもった人間がいた方が運営しやすいがために、同じ倫理観を持つよう強制しようとしますが、本来人間はみんな違うものです。
 倫理や常識なるものが、本当に人間の正しい道を表しているとは限りません。
 何をもって正しいというのかがわからないのに、正しい道など存在しないのです。
 それらの多くは、たいした根拠のない社会通念に過ぎない場合が多いのです。
 それによって社会に迷惑をかけるのなら別ですが、社会のシステムとは違う価値観をもっているという理由だけで、それがさも悪いことのように言うことは、人間みんな違うことを理解していない、誤った考え方からスタートしています。

 誰一人として「同じ人間はいない」以上、「すべての人間が少数派」です。
 「普通」の人間など、どこにも存在しないのです。
 みんなが、ある意味、「異常」であるという事実を受け入れる必要があります。

 同性愛と聞いただけで、笑ったり、軽蔑したりするマスコミや学校や家庭の無知によって、同性愛者がさも否定されるべき存在であるという偏見を広め続けていることを認識し、彼らに抗議していく必要があります。
 それが少数派である自分自身をも守ることになると思います。 (04.09/26)


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