"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館

管理人室

sonoさんの『淳子ヒストリー』


  sono. 8  sono30代 後 編
〜恋愛&メ〜

sono - 03/08/04 21:02:32


 『淳子ヒストリー』連載8回目は、『〜恋愛変〜』じゃなくて、『〜恋愛編〜』です。

 以前、姉ちゃん≠ニ、こんな会話をしたことがあります。

 私が、淳子さんのブロマイドを眺めてますと
 「あんた、そのブロマイドの裏に、何があるか判る?」
  と、姉ちゃん≠ェ聞くので、私が、ブロマイドの裏を覗き、
 「なんも、無いバイ」
と答えますと、
 「だから、あんたはダメなのよねー。
  淳子も、私も、あんたも、まだ10代で、私とあんたは、いやなことは、いやでしょう。
  淳子も笑いたくない時もあるのよ。
  でもブロマイドの撮影だと、ファンために、頑張って笑顔になるワケ。
  アイドルの意味、判る?
  淳子はアイドルだけど、ドール(人形)じゃなく、人間なのよね。
  あんたなんか、ご飯食べて、寝るだけじゃないのー」

 こんな感じの会話でしたが、その日の姉ちゃん≠ヘ、機嫌がいいのか、わるいのか珍しく、むずかしい事を言うので、下手に反論すると、バイオレンス姉ちゃん≠ノ変貌し、またフライパンで殴られるので、だまって聞いていました。

 私が、33、4歳の頃、地元で、仕事をしていましたが、取引先の社長さんと、飲む機会がありまして、「今日は無礼講ということで」ということになり、いろいろ話に、花が咲きました。
 途中、私のバイト時代の話になりまして、『〜草野球編〜』でも書きましたが、キャバレーのバイト時代に、ダンスをかじったことがあるという話をしました。
 社長さんが言われるには、女性社員に、仕事だけでなく、余裕の時間(レクレーション、スポーツなど)をつくり、リフレッシュして、仕事にはげんでもらう企画を立案したとのことで、私は、
 「御役にたてれば」
と、数日後、社ビルの3階でダンスの講習会が開かれた際に、私も参加させて頂きました。
 もちろん、あくまでも遊びの、気分転換の域です。

 練習が始まり、女性の方たちとの、ワイワイガヤガヤの楽しい時間が過ぎました。
 途中、すこし動作の遅れる女性の方がいらっしゃいまして、ジルバにしても、なんにしても、ワンテンポ遅れるので、
   「右足をこうやって、内側にひねって・・」
と彼女の足を私が持ちますと
 「ごめんなさい、私、右足が・・」
と彼女が小声で言いました。
 私は、(シマッタ)と思いました。
 彼女は、幼いころ交通事故の影響で・・。

 その日は、もう後悔の念で、彼女の顔を見れずにいました。
 (何故、人格者のあの社長さんが、彼女を参加させたのだろうか。気づかうのが普通だろうが)
と思いましたが、彼女から、参加したいとの申し出があってのことのようでした。

 数日後、私が、その会社に、社用で御邪魔すると、受付に彼女がいました。
 私は、あの時の気まずさから、気付かないふりをしていましたが、
 「あの時は、楽しかったです」
と、彼女の方から、声を掛けてくれました。
 「その節は、失礼しました」
としか、私は言えませんでした。

 それから、一ヶ月ぐらい過ぎて、私は、以前からやっていた剣道で、地元の同好会にも当時所属していましたので、練習後、子供たちと雑談してますと、彼女が現れました。
 彼女は、地元の人ではなく、同好会の御父兄の親戚関係のようで、替わりに子供さんを迎えに来たとのことでした。  「まさか、そんなこと(剣道)をされてるとは、思いませんでした」
と笑顔で言われましたが、ダンスの講習会での、私のイメージがかなり悪く、剣道となかなか結びつかなったのだと思います。

 それから、よく道場にも来るようになり、自然と、お付き合いの形になりました。
 そのうち、長老様、ご期待の、sonの活躍も訪れましたが、ここらは、さらりと流させて頂きます(笑)。

 せまい町ですので、私と彼女の噂は広まり、応援してくれる同級生£Bや、仲間達がほとんどでしたが、なにしろ、いろいろ、事件をやらかしてる私ですので、聞きたくない噂も、たくさん有りました。
 母親は、おろおろするばかりでしたが、ある夜、私に父親が、「飲め」と、焼酎の一升ビンを差し出しての一言が、
 「いろいろやが、気張(きば)らんかい」
でした。
 中3の頃、荒れた時、姉ちゃん≠ェ他界した時、
 「親子の縁切ったる」
とまで言った私ですが、誘拐事件=A乱闘事件≠フときにも、何も言わなかった無口な父親の一言に、私も何か、言いたかったけれど、とりあえず、のど≠ェ切れるくらい、焼酎をストレートで飲みました。

 半年ぐらい過ぎて、彼女が、
 「普通に、恋人同士みたいに、歩きたい?」
と聞くので、意味がわからず、
「そりゃー、そうバイ」と、答えました。

 数日後、彼女から手紙をもらいました。
 みじかく書きますと、
 「残念だけど、街をいっしょに歩けない。どうしても数歩遅れてしまう。お付き合いの中で感じた」
との内容でした。
 (なにをいまさら、交通事故の後遺症なんか承知のうえバイ)、
と思いましたが、思い当たる節もありました。
 どうしても、自分の歩調になっていたのでした。
 気遣っていたつもりでしたが・・。

 しばらくして、彼女の親戚の方から、地元に帰り、お嫁さんに行った事を聞かされました。
 淳子さんのブロマイドの笑顔と、彼女の写真の笑顔がだぶり、その裏には、私に見せまいとした、何かがあったのかも知れません。
 あの時の姉ちゃん≠フ淳子さんのブロマイドの裏≠フ言葉を思い出し、なんとなくそんなことを、考えました。

 それから、2年ぐらいして、彼女と、地元の商店街で、再会しました。
 こちらの親戚のところに、遊びに来たみたいで、久しぶりに見る彼女は、細い肩≠してました。
 当時、私も、家庭がありました。
 「えらい、痩せたなー」
と聞くと、彼女、私の家族に気を使ってか、それには答えず、
 「淳子、聴いてるのー」
と、笑顔で言いました。
 「それじゃ」
と、別れ、彼女の後ろ姿を、見送りました。

 彼女の痩せた細い肩は、
 「もう、別々の人生」
と、私に言ってるみたいでした。

 次回は、大騒ぎの『淳子ヒストリー 最終回」です。


(つづく)




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