"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館

管理人室

sonoさんの『新・淳子ヒストリー』


  sono.33  新シリーズ J
〜『純情 半泣き弱虫娘U』編 A〜

SONO - 書き下ろし


 その日、私は、○○子の高校の体育館の観覧席で、他のご父兄にまじり、試合開始を待ちました。

 今年、高3になる○○子にとっては、来年の卒業をひかえ、今日のバスケの試合が最後となるのです。
 この試合が終わると、3年生は退部届けを出し、進学、就職へ専念するための準備期間となります。

 ○○子は中学時代からバスケを始めました。
 高校進学後もバスケ部に籍を置き、持ち前の元気印で頑張ってきたのですが、高校入学以来、一度も公式試合の先発メンバーに選出されることなく、途中出場の機会もなく[万年補欠]として本日の最後試合をむかえたのです。

 ○○子のバスケ部は県内でもトップクラスに位置する、古豪強豪で、バスケ部に入部するために当高校に進学を希望する生徒も多く、それだけに、部内の競争も激しく、県内の実力者が集まるのですから、○○子の指定席はベンチでの応援係りとなり、○○子の高校でのバスケ部の試合の記録は[白紙]の状態でした。

 逆に○○子の親友の○美ちゃんは、同じバスケ部に所属し、当校の主力として、活躍を続けているのです。

 いよいよ、試合が始まりました。

 やはり、最後の試合といえども、○○子は先発メンバーから、外れていて、指定席の応援係りでした。
 それでも、懸命に我が高校を、声を張り上げて、応援するあいつの様子に、私は、なんとか途中出場でもいいから、チャンスをくれと願いました。
 ○○子からすれば、先発メンバーの中には、2年生もいるわけで、心境は複雑でしょう。

 それでも、ハーフタイムに後輩に飲料水やタオルを配る、その様子に感動のようなものを覚えました。

 試合は強豪校同士の接戦を見る中、監督さんが、○○子に、何か指示を与えてる様子で、○○子の口が「はい」と動き、そして、うなずき、さらには、ベンチの後ろで体を動かしている様子が見えました。

 これは、もしかするぞと、私は、観覧席から身を乗り出し、終了寸前の試合と○○子を交互に見つめました。

 

(つづく)




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