"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館

管理人室

sonoさんの『新・淳子ヒストリー』


  sono.33  新シリーズ J
〜『純情 半泣き弱虫娘U』編 B〜

SONO - 書き下ろし


 やがて、試合は終わりました。当高校の辛勝でした。

 結局、○○子は試合に出場することなく、高校の3年間、一度も試合に出ることなく、[万年補欠]で終わりました。

 ○○子、ご苦労様でした。

 引退試合の夜、ご父兄、部員、関係者をふくめての慰労会がひらかれ、○○子と○美ちゃんは楽しそうに話している様子が見られ、私も安心しました。


 慰労会も終わり、私と○○子は、車で自宅へと向かいました。

 車中の私と○○子はなぜか、口数も少なく、会話もとぎれがちでしたが、私が

「3年間、お疲れさん。残念だったな。今日は、試合に出られるかもって、思ったけど・・・」

「私の場合は、補欠だし、大事な試合だったからね。負けられないし、私の出番はないよ。でも、○美ちゃんが大活躍でよかったね。よかった。よかった」

 と自分に言い聞かせる様につぶやきました。

「でもさ、監督さんか部長さんか顧問か知らないけんど、お前の最後の試合だらさ、少しでも、出してくれれば、よかったのにな」

「監督のことは、悪く言わないで、勝負に徹するところが、監督のすごいところなんだからね。私にスターターの実力がなかっただけだし・・・・。そうそう、兄ちゃん、12月の昇段試験、頑張ってね」


 私は勝負に徹した監督さんも、偉いけど、[万年補欠]に徹した、○○子も素晴らしく偉いと思いました。

 [万年補欠]を3年間続けた○○子の、その潔さ、その勇気に報いるためにも、12月の昇段試験は、気張(きば)ろうと思いました。

 ○○子、本当にご苦労様でした。


 

(つづく)




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