"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館 管理人室
sonoさんの『新・淳子ヒストリー』
sono.35 新シリーズ L 〜『新・淳子ヒストリー ビデオ血風録V』編 B〜
SONO - 書き下ろし
当月の給料をビデオデッキの支払いに全て投費したSとTだったが、当然その月の生活費はなかった。
まず、通勤費はバスの定期券があるので、会社とアパートは往復できた。
次に光熱費、これは、当月分未納とし、雑費、必要経費は、SとTの所持金が、合計400円ほどあり、これを使うことにした。
問題は食事費≠セった。
SとTは、次回の給料日までの1ヶ月間を食費0円でどう乗り切るか思案した。
とりあえず、朝食は抜いた。
昼食は会社の社員食堂を利用し、次回の給料払いにしてもらったが、最後に残るのが、晩御飯だった。
SとTは、昼間の社員食堂の分を最初は晩御飯に回した。
社員食堂で、SとTが注文した2食分のうち、1食分だけ、2人で分けて食べ、残りの1食分を、パックに詰めて、アパートに持ち帰り、それを、また、2人で分けて食べる作戦だった。
[愛の教育]の初回放映開始が、7月10日だった。
九州の7月といえば、もう、夏本番の時期、温度計がぐんぐんと上昇する中、2人は貴重なタンパク源の腐食を防ぐため、パックに詰めた食料を机の下に置き、SとTは、交替でウチワで扇ぎなんとか、鮮度を保ち、アパートに持ち帰り、空腹を満たした。
しかし、昼食時の混雑する社員食堂内で、周りの人に見つからない様に、1食分だけ、パックに詰めるのは、至難の業で、食べるふりをして、テーブルの下でSがパックに詰めているところを他の社員に目撃されてしまった。
「あの2人、どうやら、1食分を持ち帰って、晩飯に当てているらしいぞ・・」
と噂になり、その噂を否定するために、見栄を張り、今度は、社員食堂のメニューの1番高額な焼肉定食を注文し、SとTは別々のテーブルで堂々と食べる羽目になり社員食堂グルメ大作戦≠ヘわずか、3日目で終了となった。
(つづく)
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