"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館 管理人室
sonoさんの『新・淳子ヒストリー』
sono.35 新シリーズ L 〜『新・淳子ヒストリー ビデオ血風録V』編 C〜
SONO - 書き下ろし
次の日から、SとTの米だけの晩御飯が始まった。
幸い、アパートには、御米を非常食として保存しており、ご飯の上にマヨネーズをかけて食べた。
通称マヨめし≠セった。
マヨネーズが無くなると今度は、ソースをかけて食べる、ソースめし、更には、醤油めし、ケチャップめし、牛乳めし、塩めし、砂糖めし、コーヒーめし、生の野菜をのせて食べる、キャベツめし、玉ねぎめし、そして、究極のめしだけめし≠ニ続いたが、日替わりの夕食もついには、お米が底をつき非常食グルメ大作戦≠焉A10日あまりで終了となった。
「おい、どうする」
とSは口に入るものは全て、食べ尽くしたアパートでTに相談した。
「あれ、食ってみるか」
とTが指差したものは、お茶の葉の容器だった。
「お、お茶の葉を食べるのかよ」
とSが尻込みをしていると、Tが勇気を奮って、容器を開け、お茶の葉っぱに手を伸ばし、一口、食べた。
「どう、食える?」
とSは、恐る恐るTに訊ねた。
「く、食えるけど・・」
とお茶の葉が喉に詰まり、咳こみながらTが答えた。
「食えるけど、な、何?。どうした」
とSが尋ねると
「やっぱり、お茶の味しかしない」
と涙を溜め、答えるTだった。
「そ、そうか、お茶の葉は、お茶の味か」
とSも涙を流した。
Sは、この悲惨な状況下、一句浮かんだ。
[お茶の葉は、食っても、やっぱり、お茶の味]
(つづく)
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