"My Pure Lady" Junko Sakurada
桜田淳子資料館

管理人室

sonoさんの『新・淳子ヒストリー』


  sono.35  新シリーズ L
〜『新・淳子ヒストリー ビデオ血風録V』編 E〜

SONO - 書き下ろし

 もはや、万策尽きた、Sは、田舎に連絡し、至急、米と野菜を送ってもらった。

  翌日の夕方、会社からアパートに帰宅すると、郵便受けに宅急便の不在通知があり、2人は早速、不在通知を手に宅急便の集配所に行き念願の米と野菜の荷物を受け取った。

「かあちゃん、ありがとう」
 とSは荷物を受け取った帰りに、電話BOXから母親に電話した。

  さっそく、アパートに帰り、中を開けてみると、2人が夢にまでみた、米や野菜が満載だった。

  もちろん、砂状ではない、玉ねぎもたくさん、入っていた。

「よ〜し、今から、晩飯を作るぞ〜。お前は飯を炊け、俺は、玉ねぎ炒めを造るから」
 とSが、玉ねぎを刻み、炒めようと、ガスコンロを点けるとカチカチと音がするだけで、火が点かなかった。

  再度、試してみても点火できなかった。

「ガ、ガスが止められている」
 とSは叫んだ。

  ここ数週間、電気炊飯器で米を炊くだけの毎日で、調理でガスを使っていない間に、そして以前からのガス代金未納も重なり、ガスが止められていることを、2人は気がつかなかったのだ。

  結局、ガスコンロが使えないので、調理ができずに、2人は米だけ炊いて、御飯の上に生の玉ねぎをのせて食べた。

  この日から2人が食べたのは、やっぱり玉ねぎめし≠セった。

  Sは、この悲惨な状況下、一句浮かんだ。

  [玉ねぎ君、生で食べると泣けてくる]  

(つづく)




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